旧三国街道T (2003.06.21)

町並みWeb集団「いらかぐみ」の七ちょめさんが新潟へ旅行した帰りに群馬県内の旧三国街道を通り、結構古い町並みがあると教えてくださった。それならと、地図だけもって早速出かけた。高崎まで高速道路を使って時間を短縮し、高崎駅東口の新しく整備されたばかりの街中で遅い朝食を食べてからスタートした。

旧中山道は高崎市街の中心部を抜けたところで西に折れる。その場所が本町通りである。中心市街には殆ど古い町並みは残っていないが、本町通りに若干の町並みが見られる。戦前と戦後の混在する町並みだが、町外れのため寂れており町並みが残ったという印象だ。高崎市本町から旧北国街道は中山道と分岐し、一路越後を目指す。

金古は旧三国街道の最初の宿場町。現在はパチンコ屋やJAがあったりして単なる県道沿いの町のようだが唯一豪農の屋敷がその歴史を物語っている。
清野町は宿場町ではないが特徴的な町並みが見られた。街道に片側に面して蔵を並べる町並みで、上州名物空っ風と関係があるようだ。

渋川は旧三国街道と沼田街道が交差する地域の中心。利根川西の河岸段丘上の都市は、駅から外れた旧三国街道沿いに古い町並みが見られる。次の金井も旧三国街道の宿場町で、緩やかに上る街道沿いに切妻妻入の家々が並んでいる。

と、ここまで順調に旧道を辿ってきたが、ここから道を誤った。旧三国街道は渋川から国道17号線とは大きく進路を変えており、金井から高山村本宿を経て新治村今宿で国道17号線と再び合流するのである。私は完全に勘違いして渋川から白井に向かってしまった。

白井は渋川から沼田へ抜ける清水越往還の街道町。再訪になるがなかなか良い町並みで写真撮影のため訪れた。
沼田は利根川を渡ると駅があるがその周辺には町は無く、すべてが丘の上にある。沼田の町が形成されている利根川の河岸段丘は日本一の大きさを誇るほど広く、崖に囲まれている。町が形成されている主軸は、利根川や国道17号線の向きとは直行した方向であり、ここでおかしいと気づかなければいけなかった。それもそのはずで、沼田は本宿で旧三国街道と交わり会津へ抜ける沼田街道に沿う町なのであった。

月夜野町の塚原は国道17号線とは離れた場所にある旧三国街道の宿場町である。塚原の町並みは現在の三国街道である国道17号線とはあさっての方向を向いている。そう不思議に思うのは勘違いをしているからで、自然と本宿から峠を越えてきているだけである。緩やかな坂道に隣棟間隔の離れた町並みが見られる。
今宿で現国道に線形を合わせた旧三国街道は、布施宿からまた山越えとなり須川宿を経由し、相俣宿で国道に合流する。ひたすら上州特有の総2階建て出桁造り切妻妻入り養蚕農家が一定の隣棟間隔をあけて並ぶ町並みが展開する。

ここで安心して猿ヶ京温泉で町営温泉につかり旅の疲れを癒した。のんびりと温泉施設のロビーに飾られたレリーフを見て、三国街道までの間にまだ永井宿があったのを知った。
気ままな旅もいいが、ろくに調べなかったため、旧三国街道をもう一度訪れなくてはならないはめとなった。ま、一日で廻るのも不可能ではあったが。それにしても、今度も最奥の永井宿まで来なくてはならない。次回も温泉につかることを楽しみに訪れることとするか。

高崎
金古
清野
渋川
金井
白井
沼田
塚原
今宿
布施
須川
相俣