海界の村を歩く
第6話 隠岐らく紀行 〜島根県隠岐〜

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島前中ノ島 崎
5日目

島前
中ノ島 崎

「目を閉じておいでよ」


最終日の5日目の朝、中ノ島菱浦の民宿あざ美荘。昨日は、早朝から27000歩も歩いたため、疲れも溜まってきている。ゆっくり起きて朝食をとり、さて今日はどの集落を歩こうか。地形図を見ると、最南端の崎集落が面白そうだ。斜面上密集系を推測できる。
ところが困ったことになったレンタサイクルを借りようと観光案内所へ電話をしたら予約で満車だという。山がちの島で台数も少なく売れてしまったようだ。まぁ、借りられたとしてもハードな山越えは無理だ。バスは走っているのだが、一日一本朝しかなくもう時刻が過ぎている。レンタカーは当然満車。いやぁ、もうちょっと事前に真剣に計画しておくべきだった。こうなったら残るはタクシーしかない。ラッキーにも空いていたので1時間予約した。今日も相当歩くので身軽になって、島で一番奥の崎地区から攻める。タクシーは島の尾根をひたすら南下した。港に待たせて1時間から移動時間を差し引いた25分で崎集落を取材しなければならない。

期待以上に起伏の激しい集落で、地形が複雑である。そのため全貌が予測できず時間が読めない。ものすごい勢いで取材していたらその姿をずっと見ていたおばさんが、「何をそんなに急いでいるの」と声をかけてきた。確かに異常に見えたのであろう。
でも、頑張っていっただけの収穫はあった。


島前中ノ島 崎
 

島前中ノ島 崎
 

島前中ノ島 崎
 

島前中ノ島 知々井 港近くの比較的大きな屋敷
島前
中ノ島 御波〜知々井〜保々見〜中里〜菱浦

タクシーの残り時間は15分。ちょうど崎〜御波間の移動時間に相当する。御波までタクシーで送ってもらって、そこから菱浦まで、途中3カ所の集落を経由し2カ所の山を越え約10kmを歩かなければならない


島前中ノ島 御波
新しい瓦だがよく見かけた 福を呼ぶのか


平らな土地の赤瓦の集落御波を取材してからロングウォーキング開始。まずは標高130mの尾根を越え知々井に下る。知々井は、広いV字谷のいい集落で、港近くに比較的大きな屋敷が残っていた。
隣の保々見へはまた小さな尾根を越える必要があると思ったが、
地形図にないトンネルができていてラッキー保々見知々井とは対照的に、湾に面して広がった集落。防波堤に腰を下ろして海を眺めながら菓子パンランチだ。

ここからが今日最大の難所である中ノ島の背骨=標高190mの峠越え。保々見集落離れ、石垣で築かれた田んぼの中を行く。気持ちがいいので鼻歌混じり。そして峠手前でヘアピンカーブが連続し、急坂となった。ハァハァ。峠を越え下りでは鼻歌が大声に変わった


島前中ノ島 隠岐神社
島流しになった後鳥羽天皇が祀られている


平野に下ると中里地区。もう足はガクガク。中里には、700年前に京都から隠岐に流された後鳥羽天皇が祀られている隠岐神社がある。当然参拝、、、と言いたいところだが、
菱浦行きのバスがあると知り躊躇せず乗ってしまった
 


島前中ノ島 御波

島前中ノ島 保々見

島前中ノ島 保々見

島前中ノ島 中里
由緒ある古民家があった
 

隠岐汽船 七類行きフェリー さらば隠岐ノ島 
バスがなかったら菱浦まで歩けただろうか。。。菱浦港のレストランで隠岐そばと一緒に打ち上げ気分でビールを飲んだ。今回の旅では、集落も行きたいところはすべて行けたし、天候の変化が著しかったにせよ素晴らしい景色は見られたし、もうスケジュールの心配もする必要はない。そう思ったら急に顔がほてり背中がゾクっとしてきた、ヤバイ熱だ

隠岐汽船七類行きフェリー、2等船室の雑魚寝部屋。さすが海釣のメッカ隠岐を往復する船である、クーラーボックス用の氷冷材が船内の売店に売っていた。
その魚を冷やすためのもので自分の頭を冷やしながら、私は本土へ運ばれた。

<隠岐らく紀行 おわり>
 

隠岐汽船 フェリーの中にて
疲れから熱を出してしまった
 

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