丸の内1丁目1街区(東京駅丸の内北口)開発計画
東京駅北口駅前にはかつて国鉄本社が建っていたが、国鉄民営化によって旧本社はその役割を終えた。国鉄清算事業団は1998年に旧国鉄本社跡地の入札を行った結果、日本生命+三菱地所が落札した。隣接する既存ビルの建て替えとともに、この街区の総合的な建て替え計画を立案し工事を行っていたが、落札から7年で新たな複合ビルが完成した。
この街区開発は少々複雑。街区を饅頭にたとえるなら、外周の皮は5つのビルからなっている。東京駅前広場を正面にして日本生命丸の内ビル、JR線路側に丸の内ホテルと丸の内北口ビル、永代通りに面する新丸の内センタービル、大名小路に面する既存の丸の内センタービルである。そして、外周のビルの皮に包まれた中のあんこが商業施設の「OAZO」。
OAZOは、東京駅から大手町に抜けるガレリア(通り抜け通路)と人を垂直方向に引き上げるために設けられたアトリウム(光庭)によって空間が構成され、大規模ブックショップやレストランなどが入居している。2年前の丸ビルに続く大手町方面への駅前拠点ビルとして機能する。
東京駅前広場に面しては日本生命丸の内ビルがドンと構える。低層部は丸の内の町並みの特徴である100尺(31m)の軒線が廻る。(上)

クラッシックモダンとでも言った外装デザインは、丸の内の歴史的町並みとの連続性を意識しているのか。(左)

丸の内北口ビルはガラスと金属リブのタワー。金属リブは太陽からの日射を遮るブリーズソレイユである。(下、左下)

丸の内ホテルは敷地が丸くなっている場所に建っているため外壁が曲線になっている。低層部が商業施設、高層部がホテル。(上)

饅頭のあんこの部分の「OAZO」。ガラスのアトリウムが人を招き入れる。(左)

ガラスアトリウムは高さ31m(100尺)。高所恐怖症の人は座りこまないように。
アトリウムの何処からでも赤煉瓦の東京駅丸の内駅舎が眺められる。(左)

アトリウムから下を見下ろす。

東京駅前から大手町方向へショートカットできるガレリア。

東京駅方向を見る(左)

大手町方向を見る(上)
ガレリアには両側に店舗が並んでおり、賑わいを演出している。
ビルとビルの谷間には緑をふんだんに配した屋外の憩いの場を形成している。
外の中庭に面してギャラリーや飲食店が表情を創る。
東側の公開空地と街路樹。建物が以前よりセットバックしたため、歩道から東京駅のドームが見えるようになった。