黒島 浜辺の集落と尾根上を一直線に上る集落

山口県
岩国市
柱島
黒島





交通
岩国港より旅客船




黒島





2019.12.08

      
岩国港の南南東約23kmにある島。瀬戸内海国立公園に指定されている。南北に長い卵型をした島で、東側斜面に集落が密集する。かつては柱島住人の牛の放牧場だったが、天保11年(1840)から開拓が始まり、平成2年には黒島開島150周年記念祭が催された。漁業が盛んで、ながし網・ゴチ網などでタイ、チヌ、サワラ、エビの水揚げがある。海岸線には岩場が多く、魚釣りには適しており、特に黒島港周辺は絶好のポイントとして有名だ。(「シマダス」参照)
集落は一ヶ所だが、地形に沿って二つに分かれている。一つは港の低地に広がる一般的な形態、そしてもう一つは岬に続く尾根上を一直線に上る独特な形態である。両者は急坂で結ばれており、どちらかが跡から形成されたものではないかと推測するも、地元のヒアリングでは同時期であるとのことだった。
黒島の町並み
黒島はほとんど周防大島周辺の島々の一部と思われるような場所に位置しているが、岩国市の柱島群島に属する。岩国港から柱島行きの船が、端島とともに寄港する。
黒島の町並み
山がちの黒島ではわずかな浜辺の平地に集落が形成されており、さらに岬に通じる尾根上にもある。
黒島の町並み
ユニークなのはどの尾根上の集落で、一番高い場所を一直線に道が上っており、その両側に敷地が並ぶ。
黒島の町並み
低地から尾根上の集落へ上る階段のある部分。
黒島の町並み
集落の南端に小中学校があり、その裏手には急斜面上に家が建っている。
黒島の町並み
三島神社から
黒島の町並み
三島神社下の家。石垣に階段が切られているが、建物との関係がない。おそらく建て替えたから整合していないのであろう。
黒島の町並み
本瓦葺きの家。比較的立派な屋敷地・家屋が多いように思う。漁業で経済的に潤ったのであろうか。
黒島の町並み
港の海岸線沿いの町並み(左)。

棟瓦に装飾が見られる家。かなり裕福な家だったと思われる(左下)。

黒島の町並み
尾根上の集落へ通じる急坂。さすがにこれを上る気はせず、尾根伝いに上ったのち、ここを下った。

黒島の町並み
尾根上の集落。この一直線に上る形態はかなり珍しい。付属屋と主屋で庭を囲むような屋敷が前の家が数軒あった。吹き上げる風から守るためであろう。

黒島の町並み
一直線集落の下側は石垣と建物が吹き上げる風を遮る(左上)。

低地の集落下る急坂(上・左下)
 
参考資料 リンク
岩国市

参考文献