柳渡戸 さまざまな玄関つき直家の集落

山形県
尾花沢市
上柳渡戸

(神奈川県J52162さん撮影)

(神奈川県J52162さん撮影)

(神奈川県J52162さん撮影)

(神奈川県J52162さん撮影)
尾花沢は羽州街道の宿場町で、江戸時代前期に延沢銀山の開発によって発展した。
柳渡戸はその尾花沢の町から銀山へ向かう途中にある農村で、「やなぎわたりど」と読む。丹生川右岸と銀山川左岸に位置する集落で、銀山発見から運上路の集落の上野番所柳渡戸渡河点におおきなめぼしい大柳があったことから柳渡戸の地名が生まれたと言われている。

この付近は積雪量の多いところで、日本三多雪地の一つにも数えられている。したがって、民家の形状は雪対策が特徴として現れる。
東北といえば、曲り家や中門造りといった、母屋の前に馬屋や玄関、座敷(居住スペース)がつけられたタイプが見られる。山形は日本海側の中門造りの分布地域に属している。しかし、尾花沢柳渡戸の集落は中門造りではなく、直家に玄関が付いたもののようだ。
玄関は中門造りと同様に、屋根から落ちる雪が玄関前にたまらないようにするためと、土間に入る前に雪を落とす場所でもある。これが無いと土間がべちょべちょになったり、直接寒い外気が入ったりする。玄関は雪国の特徴で、地域によってデザインが変わるのも面白いものだ(津軽の民家など)。柳渡戸の民家の玄関は、左右非対称のものなど、いろいろな形が見られておもしろい。近くに分布し、象徴的な意匠も見られる中門造りからの影響もあるように思われる。


交通

JR尾花沢駅よりバス


県道29号より銀山温泉方面


参考資料 リンク
尾花沢市のホームページ

参考文献