樫野 紀伊大島 丘の上にある防風の漁村集落

和歌山県
串本町
樫野





交通
JR紀勢本線串本駅よりバス樫野下車





樫野




2008.12.28
紀伊半島の先端、潮岬の東2kmに位置する紀伊大島は、基幹産業である漁業のほかに年間平均気温17℃という温暖な気候を生かして柑橘類の栽培も盛んである。潮岬と大島を結ぶ大島架橋は1999年に完成した。
大島には、大島、須江、樫野の3つの集落がある。樫野集落は島の最も奥の高台の上にあって、港は崖下で船溜しかない。このような形態の漁村は全国的には他にも見られるものの珍しい。潮岬付近は台風の直撃を受けやすい場所なのであろう、外海に面する海岸線を嫌ったのであろうか。特徴は防風を目的とした高い石垣塀やコンクリート塀で囲まれた集落で、屋根瓦は漆喰で固められたものもある。樫野灯台は石造では日本最古と言われ、集落の石垣塀の切石の技術も高いことから、石が豊富に採れる土地であったと思われる。
密集した佇まいは漁村だが、港からは遠く高台の上にあるため全く漁村らしくない。

角にはきれいな切り石を積み上げた石垣塀(左、上)
1階軒レベルまで積んだ石塀。(左)
 
石塀とコンクリート塀に挟まれた集落内の路地空間。(下)

路地には軽自動車くらいは入ってくるので、コーナーに家は外壁を円弧にされていた。

集落内の共同井戸(上)

写真からだと、石塀や民家の形態から鹿児島の郷士集落とみ間違ってしまう。(左、下)
荒っぽい丸石の石垣塀もある
参考資料 リンク
串本町

参考文献
『日本の町並みT 近畿・東海・北陸』 西村幸夫監修 平凡社