西片 明治以降開発され震災と戦災を免れた住宅地

東京都
文京区
西片1,2




交通

地下鉄東大前駅、白山駅下車


白山通り、旧白山通り(旧中山道)





西片




1997.12.31
2003.09.06
文京区西片は、本郷台地にあった阿部家中屋敷を、明治から昭和初期にかけて阿部家自らが開発した住宅地である。
福山藩の阿部家は明治期に貸地貸家経営に乗り出した。その際、同藩士や同郷人の入居を優先し、その後は学者高官などの知名人を優遇したため、明治大正期の西片は「学者の百軒長屋」と称され、学者町として東京中に名をはせたという。夏目漱石や田口卯吉をはじめとした多くの文化人がここに住んでいた。

西片は震災と戦災の両方を免れた貴重な住宅地である。いまでも閑静な佇まいを残しており、黒い重厚な瓦屋根ののった明治期のサラリーマン住宅や隣接して建てられた洋館など、明治期から昭和初期にかけての山の手の住宅街がそのまま残されている。

旧中山道は旧森川宿追分で本郷通りと別れ、本郷台地の尾根筋を北東へ進む。途中、西片から白山上に変わろうというところに2階建てのデコラティブな擬洋風近代建築と看板建築並ぶ町並みがある。何を営む商店であったかは不明だが、その裏手には西片の住宅街であり、旧街道沿いの山の手の商店街の名残を感じることができる。
西片は戦災はおろか震災も受けていない貴重な一角。重厚な和風住宅の隣に洋館が備わった、典型的な近代山の手のサラリーマン住宅地の町並みが見られる。
2階建て以下の閑静な住宅地。都心マンション開発が懸念される。(写真は1990年代)
旧中山道(現、旧白山通り)の西片2丁目の町並み。結構手の込んだ擬洋風建築が残っていた。
参考資料 リンク
文京区

参考文献