新橋駅前 リーマンの街のリーマンのための一大立体集落

東京都
港区
新橋1,2





交通
JR山手線新橋駅下車徒歩





ニュー新橋ビル



新橋駅前ビル




2010.01.23
 
新橋駅周辺は戦後、闇市から発展したバラック密集地だった。東京都は都市防災の観点からこの地区の再開発を行い、東に新橋駅前ビル1号館2号館(昭和41年)、西にニュー新橋ビル(昭和46年)が誕生した。
新橋駅前のシンボル「SL広場」の前に建つこのニュー新橋ビルは、地上11階地下3階、全500区画のテナントが入る巨大な雑居ビルである。新橋駅西口にあたる烏森一帯はサラリーマンの聖地として発展していったが、その真っただ中にあるニュー新橋ビルはまさに街の象徴のように、周囲の歓楽街がそのまま建物の中になだれ込んだような立体集落を形成している。1階のJR新橋駅側にはメジャーな「洋服の青山」が入居しているものの、そのほかは「おやじ御用達」の業態がひしめいていて、おしゃれな店は一切ない。1階は格安チケット店、2階はマッサージ&アダルト&ゲームセンター、3階はクリニック、4階は雀荘&碁会所&屋上庭園、B1階は昼間っから営業している居酒屋が目立ち、5階〜9階事務所、10・11階は住宅(会社が多い)という構成である。小割の区画にいろんな性格の業態が若略なく隣り合っているところが大変面白い「おやじビル」だ。
そして、新橋駅前ビル1号館2号館は、プロフィリットガラスのモダンな外観とは裏腹に、地下にはバラック街そのままの夜の飲食店街が展開している。その出来栄えはニュー新橋ビル地下1階以上だ。しかし、これは時間とともに熟成された空間なのであろう。やはり地上屋外であろうがビル地下であろうがこうなるんだという現象の末なのかもしれない。

低層4階までが商業店舗、5階〜9階が事務所、10・11階が住宅。(左)

アミダのようなスキンをまとう外装(上)
アミダスキンを室藍側から見る。
B1階の居酒屋街。土曜日の真昼間に歩いたが、高齢のおやじ達が大勢飲んでいた。

2階商店街。マッサージが年々増殖しているようだ。かつての風俗店もまだ残っていた。

変形田の字型の通路。階段やエスカレーターには場所を覚えやすいように色分けしたタイルが壁に貼られている。(左) 
3階はマッサージが減り、クリニックや法律事務所が増える。街であれば平面的にエリア分けされるが、ここでは立体的なエリア分けが現象の結果として形成されている。

趣味性の強いマニアックな店は目的をもった人が来るので3階でも成立する。(左)

4階は雀荘が目立つ。その中に満席の碁会所があった。(下)

屋上庭園から眺めたシオサイト(左上)高級雀荘って?(上)

10・11階は住宅階であるが、現在は事務所が多く入居していた。
新橋駅前ビル1号館の外観
プロフィリットガラスのモダンな建物(上)

地下街からのビルの入口(左)
1号館の地下1階メインロード
どうです、赤提灯飲み屋街のように廊下に店が開いてお客がはみ出してる。この通りから脇の路地に入っても店はある。(上)

バラック街がそのままビル地下にビルトインされたので、店の区画は超小さい(左)
新橋駅前ビル2号館の地下1階入り口。こちらは大通りはなくすべて路地。

2号館地下1階の横丁空間。カウンターに店の主1人、客5、6席みたいな小さな店が密集している。
2号館の貸事務室
プロフィリットガラスで閉鎖的かと思ったが、中から見ると意外に明るく開放的。
参考資料 リンク
港区

参考文献