上中里 戦災のない東京 鉄道に挟まれた街と丘上の街

東京都
北区
上中里1,2
西ヶ原1,3,4





交通
JR京浜東北線上中里駅下車徒歩
地下鉄南北線西ヶ原駅下車





上中里


西ヶ原




2009.09.21
2009.12.26
JR京浜東北線は上野駅から王子駅までずっと武蔵野台地の東端にあたる上野台地の崖線に沿って走っている。その中間にある上中里駅を出ると、線路の南西が丘上の上中里1丁目、丘下が上中里2丁目というまったく立地の異なる2つの町となる。太平洋戦争時の空襲による戦災焼失区域を表示した「コンサイス東京都35区区分地図帳(昭和21年刊)」によれば、この2つの町はいずれも戦禍から免れている。
丘下の上中里2丁目は、京浜東北線・上越新幹線と東北本線という2つの幹線に挟まれた特殊な立地の町であり、おそらく鉄道敷が防火帯となって空襲による火災の延焼を妨げたに違いない。しかし、元々平凡な住宅地だったのであろうか歴史を感じる建物は見つけられなかった。
一方、丘上の上中里1丁目は大正期以降に開発されたと思われる郊外住宅地である。旧日光御成街道にあたる本郷通りに沿いに古い町家を見ることができる。なお、本郷通りに面する大きな屋敷地「旧古河庭園」は、明治の元勲・陸奥宗光の別邸であったが、次男が古河財閥の養子になった時、古河家の所有となった。現在の洋館と洋風庭園の設計者は、英国人ジョサイア・コンドル博士(1852〜1920)である。
JR東北本線と京浜東北線との間は車両基地にもなっている。鉄道マニアがたくさん写真撮影をしていた。
上中里2丁目の町並み
戦災地図によれば確実に戦災を免れた町であると思われるが、戦前と断定できる建物が見つからなかった。


 




上中里1丁目、西ヶ原2丁目界隈の町並み(左上、左下、上)
旧日光御成街道である本郷通りに沿って出桁造りの町家や銅板の看板建築が見られる。
上中里1丁目の住宅街にある商店街

西ヶ原の旧古河庭園 
旧古河庭園の丘の下には長い商店街がある。西ヶ原銀座。(下)
参考資料 リンク
北区

参考文献