神埼 水路に絡む集落景観が面白い長崎街道の宿場町

佐賀県
神埼町
神埼



交通

JR長崎本線神埼駅下車

国道34号線




神埼




2003.12.29
神埼町の中心神埼は、中世は市街の中ほどにある櫛田神社の門前町として、近世になって長崎街道の宿場町として発展した。したがって、長崎街道は神埼市街を複雑な線形で抜けていく。まず東からやってくる旧街道は水路東側の南北の通りに突き当たって鍵形に折れて水路を渡る。そして櫛田神社の前で南に曲がり古くからの門前町に合流する。国道を横切ってさらに南下し、鐘楼のところで曲がって西を目指す。このルートに沿って町並みが連なるが、もう一方水路の東側の通りにも商家が建ち並ぶ町並みが展開し、途中で西に折れて長崎街道の町並みに合流する。つまり、櫛田神社の門前の通りと水路沿いの通りという南北の2本の通りが見所である。
また、南北の水路は町並みの裏手で家々と絡んでおり、水路脇の住宅はごまかしながら水路にはみ出していったのか、水上集落のような景観を呈している。中には水路の両側を専用の橋で繋いでしまっているものもある。
町並みは、妻入入母屋、土蔵造りの町家、近代洋風建築など明治から大正期の建物である。また、神埼は、米麦の生産の他、江戸時代から製粉、製麺業が発達し、「神埼そうめん」が特産である。
南北に町を貫く水路に面する家々は、水路が広がったのか、家屋がはみ出したのかわからないが、水上に石やコンクリートの杖をついて建っている。
中には水路の両側に家があり、専用の橋でつながっているものもある。この「水」と「生活」の重なり方が、神埼の集落景観の最大の魅力である。
水路の東側の南北通りに面する商家。
2階の高さが高いので年代は新しいものと思われるが、大きな開口部をうがった漆喰壁である。
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櫛田神社の門前町に建つ近代洋風建築。
門前の通りを国道より南下したあたりの土蔵造りの町家。
水路東側の南北通りを南下すると、東西の通り(写真の町並み)を経て門前の通りに接続する。
神埼南端の町並み
ここから街道は西を目指す。
参考資料 リンク
神埼町

参考文献
『日本の町並みU 中国四国九州・沖縄』 西村幸夫監修 平凡社