桃谷中川 戦災のない大阪 もっとも戦前が感じられる街

大阪府
大阪市
中央区
谷町6
瓦屋町1
上本町西
東平1




交通
地下鉄谷町線谷町六丁目駅下車徒歩






谷町



戦災のない大阪マップ



2003.03.15
2009.09.06
大阪の都市の起源は上町台地にある。上町台地は旧市街地東辺にあたる海抜5〜22mの洪積台地。この台地の上に難波宮がつくられ、大阪城もこの台地の北端に築造された。台地の周りは低湿地で、川の流れを変えて陸地とし都市が形成されていった。逆にいえば大阪は起伏の少ない都市であり、この上町台地の周りにだけ起伏がみられる。
大阪市内は太平洋戦争下の昭和20年(1945年)、全8回に渡って空襲を受けた。そのエリアは、『全国主要都市戦災概況図』(昭和20年)や終戦後にGHQが撮影した空中写真により確認できる。その記録は大変悲しい記憶ではあるが、一方で戦災を受けていない町を知ることができる。大阪の非戦災地区は、水路や鉄道によって延焼を免れた場所もあるが、東京同様に台地の崖線に緑によって延焼を免れた地域が一番大きいと思われる。それが、上町台地の上や窪地にあたる谷町六丁目を中心とした界隈である。

大阪の戦前の町家は伝統様式の流れの上にある。東京の戦前建築が関東大震災を境に不燃の看板建築(銅板やモルタル)が流行したのと対照的だ。軒が段々になっていて漆喰や銅板で固められていたり、2階外壁に不燃材としての漆喰やタイル、特色ある袖卯建など。谷町六丁目界隈には、これらの古い大阪式の町家が多く見られる。旧熊野街道に沿う町並みや段差部の石階段、路地を入ると現れる長屋など見どころは多い。

松屋町通りに近い瓦屋町1の町並み
瓦屋町1の町並み
松屋町筋より東へ入ったあたり
瓦屋町1の町並み
瓦屋町1の町並み
谷町6の町並み
かつては銭湯だった小玉湯
現在は駐車場。内部には浴室のタイルが残っていた。
谷町6の町並み
低い土地から高い谷町筋へ上がる石階段
こういう坂道は大阪では珍しい
谷町6の町並み
長屋の並ぶ通り(左)

戦前の町家が占める交差点(左下、下)
 
上本町西の町並み
空掘商店街のアーケードを抜けたあたり
空掘通りが尾根上を走っていて両側が谷になっている。谷から見ると町家は三階建てに見える。
上本町西の町並み
空掘商店街のアーケードを抜けたあたりの町並み
 

十二軒町の町並み
長堀通の北側の十二軒町、神崎町にも見どころは多い。
長堀通の北側平行した通りにある木造三階建ての町家(上)
神崎町の古い長屋。大阪は長屋の多い町だが、福島区や大阪環状線の外側の非戦災地区で見られる長屋とはちょっと違う。町が古いのであろう。(左)

東平町 旧熊野街道の町並み(下)
参考資料 リンク
大阪市

参考文献