松島新地 維新開港のために開かれた歴史ある遊郭

大阪府
大阪市
西区
九条1
本田2



交通
地下鉄中央線九条駅下車徒歩








2009.03.21
明治維新とともに大阪の市街地の改造が進められた。既成市街地に散在するさまざまな施設の取り払いや移転を命じる府令が発布されたが、その中で「遊所」の立地を制限した。一方、開港に合わせて近代最初の遊郭として松島遊郭が新設されたが、制限された「遊所」の店は松島への移転すれば存続することが許された。その後、大阪府が最終的に許可した「遊所」は、「南地五花街」「新町遊郭」「堀江遊郭」「曾根崎遊郭(北新地)」「新堀遊郭」そして「松島遊郭」である。大阪のそれぞれの遊郭は芸娼分離や移転などを経てそれぞれに存続、衰退、変化を遂げているが、松島遊郭は明治期以来変わらず存続している。
地下鉄中央線九条駅から東へ延びるアーケード街(ナインモール九条)の北側一帯が松島新地である。九条1丁目から本田2丁目にかけての台形状のエリアで、茨住吉神社に向かう中央大通りと直交する4本の通りに店が並んでいる。いずれも似通った伝統的な意匠の建物。このエリアは第二次世界大戦時に戦災にあっているであろうから(九条駅の北側は戦災を受けていない)、現在見られる町並みは戦後のものと思われる。飛田新地、今里新地と同様、整然とした街区構成と角切のある交差点が特徴である。
松島料理組合の看板(上)

都市計画された街らしくすべての交差点に角切がある。(左上)

中央大通りの町並み(左)
九条1丁目の町並み
長屋形状の建物が並ぶ一角(上、左上)

古そうな建物。隣接するエリアは戦災を免れているので、松島新地の中にも戦前のものが残っているかもしれない。
九条1丁目の町並み
モルタル吹付け外装、モザイクタイルの貼られた庇、扇形の窓。
九条1丁目の町並み 
参考資料 リンク
大阪市
西区

参考文献
『花街 異空間の都市史』(加藤政洋 朝日新聞社)