伊部 煉瓦煙突と茅葺屋根が点在する備前焼の里

岡山県
備前市
伊部



交通

JR赤穂線
伊部駅下車






伊部





2004.10.25
 山陽新幹線で大阪方面からまもなく岡山というところで左手に赤い煉瓦煙突が見える。そこが伊部である。「伊部」と書いて「いんべ」とはなかなか読めないが、旧綴りは「因部」。平安朝の時代から窯が築かれていたというが、備前焼(伊部焼)は鎌倉時代から西日本を中心に広がっていったという。土質を生かして釉を用いない赤褐色の素朴な風合いの備前焼は、近世以降も岡山藩主の保護を受けて発展した。
 伊部の町は旧山陽道に沿って町並みが形成され、街道沿いに焼き物の店が並ぶ。そして店の奥には赤い煉瓦煙突を立てた登窯が見え隠れし、焼き物の町としての風情が感じられる。民家は、岡山の特色である2階の壁や破風にウマ目地のナマコ壁が施された瓦屋根の建物がベースだが、中には茅葺屋根も見られる。また、焼きのもが塀や土台にも用いられており、焼き物の町らしい特徴が随所に発見され、歩いていて面白い。

伊部駅から旧山陽道の町へ向う通り(左)

建物の土台に土管が応用されている(上)。
旧山陽道沿いに焼き物の店が建ち並ぶ町並み。
本瓦屋根に漆喰壁、2階壁のコーナーや下屋の付け根部分に、ウマ目地アミダ形状のナマコ壁が施されているという、倉敷などで有名な岡山らしい民家様式が町並みのベースとなっている。
窯の煉瓦煙突は通りに面してはなく、敷地の奥のほうに配置されているため、歩行者からはちらちら見え隠れする。
町並みを形成する建物は新しいものも多い。左手の建物は窯元小西陶古。
町の東端で存在感ある佇まいを見せる衆楽館本館。立派な建物は本瓦でナマコ壁はバッテン型。塀の一部が陶器のショーケースになっているのが面白い。(上)

町の中にはチラホラと綺麗な草葺屋根の建物が残っている。(左)
町の西の橋で存在感ある佇まいを見せる草葺屋根の佐藤家。
町の西端で横切る馬場川。修景が美しい。
瓦と石垣の塀。
参考資料 リンク
備前市

参考文献