粟島
釜谷
絶壁の狭間の緩傾斜地に形成された漁村集落

新潟県
粟島浦村
釜谷





交通
岩船港よりフェリー




粟島釜谷





1999.10.09
2020.08.10
新潟市の北方63km、村上市岩船港の北西35kmの日本海にある島。島全域が「瀬波笹川流れ粟島県立自然公園」に指定されている。ほとんどが山地と丘陵で、島の中央には最高峰265.6mの小柴山をはじめとする山並みが南北に連なっている。傾斜が比較的ゆるやかな東側に内浦、急斜面の続く西側に釜谷の2集落がある。対馬暖流の影響を受け、気温の日較差が少ない海洋性の気候で、積雪は少ないが季節風は強い。島内から縄文遺跡が発見されており、その頃から人が住んでいたと思われる。「万葉集」に詠まれ、帆船時代には佐渡や山形県飛島へ向かう北前船の風待ち・潮待ち港となり、年間1000隻もの船が寄港して島は賑わった。周囲に高良場があり、昭和初期からタイの大謀網漁業が主産業となっていたが、昭和40年代の離島ブームでタイ釣りと自然を中心にした観光業が盛んになり、今では漁業と並ぶまでになった。もともと漁師たちの磯料理だった「ワッパ煮」は曲げワッパに焼いた石を入れ小魚を炊き上げるもので、それはそれはおいしい。(「シマダス」参照)
粟島釜谷集落
わずかな緩傾斜地に家々が集まっている。(上・左)

粟島釜谷集落
神社へ向かう縦道(上・左下)

かつての海岸線と思われる段差にはゴロタ石で石垣が築かれている。

粟島釜谷集落
集落内は狭い路地が巡り、各家の前庭がつながったような形態。
昭和40年代の離島ブームで一度賑わい民宿がたくさんできたそうだ。路地を上空でまたぐ廊下や屋根がある。

粟島釜谷集落
建物の下を貫通するセミパブリックな通路。

粟島釜谷集落
立派な蔵があった。横が空き地だったので、比較的大きな屋敷があったものと思われる。
参考資料 リンク
粟島浦村

参考文献
「シマダス」日本離島センター