黄島 火山と捕鯨によって築かれた溶岩石垣石塀の集落

長崎県
五島市
黄島町





交通
福江港より定期船






黄島





2017.05.04



福江湾の南方17kmに位置する玄武岩質溶岩の平坦な小島で、噴火口をもつ番岳(92m)が最高点。寛永14年(1637)には遠見番が置かれている。近海に好漁場があり、特に捕鯨は江戸時代から営まれていた。昔のうたに「黄島・赤島木と水さえあれば、福江城下にゃ負けはせぬ」との言葉があるとおり、水源がないため天水を利用していたが、昭和59年7月に国のサンシャイン計画による太陽光利用海水淡水化施設(世界初)が設置され、現在は住民の生活用水として活用されている。泊遺跡からは、縄文時代の土器片や黒曜石製の石器が出土し、古くから北部九州との交易があったことをうかがわせる。(「シマダス」参考)
福江島の南東海上には、赤・黄・黒と三色の名が付いた島がある。その一つ、黄島(おうしま)は、江戸時代から昭和まで捕鯨の拠点とした大変栄えた集落である。そして、火山であることから島全体が溶岩でできている。その二つの要因によって、「溶岩の石垣石塀の集落」という大変珍しい集落景観を見ることができる。過疎化によって家屋は数を減らしているが、板壁+瓦葺屋根の古い民家も残っている。五島列島の中でも必見の集落のひとつといってよい。
溶岩のごろた石を積み上げた防波堤
網元の屋敷だったと思われる切石塀(上)

黄島の町並み(左)
黄島の町並み
延命寺の石塀
切石を積み上げ、上に丸石を載せ、端部を半円形の石で抑えるのが様式。格式に高い屋敷である。
黄島の町並み
黄島の町並み
黄島の町並み
黄島の町並み
黄島の町並み
黄島の町並み
黄島の町並み
黄島の町並み
黄島の町並み
黄島の町並み
かつては水源に乏しかった。雨水を集めて溜める水槽が各家に残っている。

黄島の町並み
赤島(左)
参考資料 リンク
五島市

参考文献
『シマダス』㈶日本離島センター