面高 自然がつくった良港 外と内が対照的な水際集落

長崎県
西海市
西海町
面高






交通
JR佐世保線佐世保駅よりバス利用





面高





2005.07.26
西彼杵半島北部は、第三紀層の準平原面に玄武岩の溶岩台地が広がり、海岸線は入り組んだリアス式海岸である。いくつもの岬の一つ、曲り鼻と呼ばれる長く曲がった岬によって外海から守られた自然の良港が形成されている。このような内海は水面が穏やかなので防波堤が無く、港際の各戸の前に船が着けられる。長く続く集落の中ほどに定期船の船着場があり、その付近に明治屋旅館という古い建物が残っていた。
集落は外海側にも広がっているが、その外海側は内海側とは全く対照的な景観だ。高い防波堤が築かれテトラポットが並び船は繋がれていない。テトラポットの上には、海産物の干台に使用されていると思われる防波堤の上端から延びた桟敷状の干棚が高々と組まれていて、海岸線に沿って湾曲しながら連なっている。
面高港に面した集落
曲り鼻と呼ばれる岬に守られた自然の良港は波が静かである。
面高港に面した集落
港に面する各戸に対応して船がつながれている。

集落の中心部にある明治屋旅館
面高は自然と集落の織りなす景観は素晴らしいが、このようなふるい建物は少ない。

面高の町並み(左上、左下)

石垣を切って排水溝を造っている。(上)
外海沿岸に連なる桟敷
内海側とは対照的に防波堤を上げテトラポットが敷かれる。その上に海産物を天日干しにする桟敷が構築されている。細い金属パイプの柱で持ち上げ、金属メッシュや竹が敷き詰められている。
桟敷下から見たところ。天端を揃えて海岸線に沿って湾曲しながら連なる桟敷状の干棚は素晴らしい。建築デザインのモチーフとして使えそうだ。
参考資料 リンク
西海市
旧西海町商工会

参考文献
『日本の集落 第3巻』 高須賀晋・畑亮夫 建築資料研究社