末川 木曾御岳山麓 木づくしの「開田型」民家集落

長野県
開田村
末川




交通

JR中央線
木曽福島駅よりバス



国道361号線




末川




2004.05.28
木曽谷は深く狭い谷だが、木曽福島から国道361号線を西に走ると視界が開けた農村となる。木曽谷の宿場町は屋根勾配の緩やかな平入の町家が並んでいたのに対し、農村になると同じく屋根勾配が緩やかであるが妻入りの農家が点在する。木曾は森林資源が豊かな地域。宿場町も農村も木の軸組み、板壁、板葺屋根(現在はトタン葺)と「木づくし」の民家である。国道361号線を進み地蔵峠(新地蔵トンネル)を越えると木曾御嶽山麓の高原となりさらに視界が開ける。そこが開田高原(開田村)である。
旧地蔵峠を下り末川橋を渡ると末川の集落。棟が低く、板葺きであったため屋根勾配が緩やかで板壁で覆われた「開田型」の民家が集まっている。比較的大きな家が多く、玄関や庭を備えた民家が見られた。また、うまやも別棟で木づくしの建物である。これらの民家の原形は、板葺き石置き屋根であるが、現在は殆ど見られず、赤茶色のトタン屋根である。しかし、この赤茶の屋根が赤っぽい板壁とマッチしており、殆どこの色で統一されているため違和感など全く無い。
末川の中村本家
玄関や木塀に囲まれた庭を持つ旧家。開田村の大きな民家の共通した形式のようで、玄関のところに「○○本家」と誇らしげに表札がかかっている。
付属家
うまやであろうか、付属家も木だけでできている(屋根は後年トタン葺きに改修)。
中には板葺石置屋根の建物も見受けられる。

中にはバルコニー付きもある(上)

収穫物を干す木柵(左)
参考資料 リンク
開田村

参考文献
『図説 日本の町並み5 中部編』 太田博太郎他 第一法規