贄川 度重なる大火から逃れた木曾中山道北端の宿場

長野県
楢川村
贄川



交通

JR中央線
贄川駅下車



国道19号線





贄川




2004.05.30
贄川は中山道の江戸から33番目、「是より南木曽路」を過ぎて最初の宿場である。国道19号線から左折し中央線を橋で渡ると「贄川の関所跡」がある。いま見られる建物は、近年復元されたもの。板葺石置き屋根の資料館になっている。そこから旧宿場町が始まるが、やたら道幅が広い。道幅が広い町並みは、幕末から近代にかけて何らかの計画された場合が多い。主な目的は延焼防止である。この贄川宿も度重なる大火が記録されている。明治期に大火があり、現在見られる町家はその後のものだが、昭和5年の大火で町の大半が失われたという。しかし、奈良井川の河岸で国道がバイパス化されたため、交通量は少なく静かな町である。宿場には木曾中山道らしく水場が設けられており、昔の旅人はこの水を飲みながらようやく木曽路に入ったということを実感したことだろう。
贄川の関所跡
建物は後年復元されたもの。

道幅の広い贄川宿の町並み。北部は昭和初期の大火で焼けたらしく古い町家は残っていない。広い通りからさらにセットバックし、隣棟間隔をとった2階建ての町家が並ぶ。左の町家は旅館を営んでいたらしい。
宿場中ほどで一直線だった通りが雁行する。町家も木曽路ならではの出桁造りが並んでおり、昭和初期の大火から逃れたエリアと思われる。
2階床レベルの出桁は2段に組まれていて屋根の軒にも出桁が見られる。2段の桁の間や小さな袖壁にわずかな漆喰が塗られているだけ。大火の後は防火性能を上げる漆喰が多用される場合が多いが、木の国である木曽路ではあまり見られない。
参考資料 リンク
楢川村

参考文献
『図説 日本の町並み5 中部編』 太田博太郎他 第一法規