松本中央 明治期大火後に建てられた蔵造りの町並み

長野県
松本市
中央1〜4
深志2,3



交通

JR篠ノ井線松本駅

国道143号線中央1




中町


深志3丁目




2004.02.11
松本城の南側の中町(現:中央)一帯は町人町であったが、明治11年の大火でほとんどが焼けてしまった。しかしその後、大火の教訓を生かして人々は蔵造りの町家を建てた。大火のあった町は喜多方や川越を始め、蔵造りの町並みが誕生している例が多いが、ここもそのひとつである。切妻平入りの家々は出桁造りが多く、1階はナマコ壁、、2階は漆喰で固めており大きな開口部が開いている。中町の町家は白漆喰が多いが中には黒漆喰も見られる。
近年、松本では大々的な都市整備が進められているが、この中町は電柱の地中化や看板の撤去などの景観整備がなされ歴史的な景観が守られている。

また、城下町を串刺しにしている旧善光寺街道は塩尻方面から松本城に向かって北上してくる。松本駅前から西へ伸びる駅前通りの南側の深志エリアでは、旧善光寺街道周辺に若干の古い町並みが見られる。
松本駅と本町通りを結ぶ公園通りは土産物屋や飲食店、パルコがある観光通り。近年の都市大改造の中で途中に広場ができたりして大きく姿を変えている。
中村種苗株式会社の蔵造りは唯一残された一軒。

(旧いちやま旅館)
公園通りの本町通りとの交差点付近は狭い道ながら「いちやま旅館」の白壁の美しい、松本で一番好きな一角だった。都市整備のために、いちやま旅館と開運堂が建て替わって、この空間がもう見られないのは大変残念でならない。
中町商店街を東方向から見る。
いままで何度も歩いていたが、電線の地中化と看板の撤去などによって整備された町並みは、「こんなに残ってたっけ」と思うほど蔵造りの家々が建ち並んでいる。
カレー屋の「デリー」は昔から営業しているお店。黒漆喰のナマコ壁はひと際存在感がある。
今では通りを訪れる観光客が増えたため他の飲食店もこのあらりに集まっている。左隣は、かつて駅前通りにあった「こくぶ」のフォルクスラーメンが食べられる「松本ラーメン」。
中町通りを西側から見る。
白漆喰、黒漆喰の店蔵、看板建築が残る。

(喫茶店「まるも」の店内)

松本に来ると必ず立ち寄る女鳥羽川のほとりの喫茶店「まるも」。外観白壁の店内は松本民芸家具とクラッシック音楽のインテリア。夜行列車で松本に降り立った旅人を癒してくれる。背後の木造3階建ては「まるも旅館」。
中町通りの看板建築「ミドリ薬局」。
松本は関東と関東の中間。町中で関東風の看板建築が見られる。
中町通り一本南側の公園通り。
東へ進むといきなり大きな本棟造りの民家に当たり、道がうねる。画像はその民家の裏手の一角。
中町通りでなくても中央地区には白漆喰の町家は見られる。
深志3丁目の小さな川沿いにかつての遊郭か旅館街があった。
参考資料 リンク
松本市

参考文献
『日本の町並みV 関東・甲信越・東北・北海道』 西村幸夫監修 平凡社