会田 広い田園を背景とした海鼠壁の美しい宿場町

長野県
四賀村
(松本市)
刈谷原町



交通






会田




2009.08.02
 北国西街道(善光寺道)は、木曽路の手前の洗馬宿で中山道から分岐し、松本平松本城下を経て山を越え、善光寺平篠ノ井追分で北国街道と合流、善光寺(長野市)へ至る13宿の脇往還である。中でも岡田宿(松本市)から稲荷山宿(長野市)間は、刈谷原峠、立峠、猿ヶ番場峠と3つの峠を越える山間部。刈谷原峠と立峠の間は、かつて四賀村と呼ばれた山村で、この会田宿がある。鎌倉時代に海野会田氏の城下町が宿場に制定され、城下町がそのまま宿場町に転じたという。
 街は縦(本町)→横(中町)→縦(立町)という、宿場町らしからぬ構成をしているが、城下町を基盤としているからであろうか。本町はこれから北へ立峠越えて善光寺を目指さんとばかりに坂道を駆け上がる町並み。白壁が美しい切妻平入りの町並みは、江戸時代に数度の大火を経験した教訓からであろうか。振り返ると盆地の田園を見下ろし大変美しい。立町は南へ刈谷原宿・刈谷原峠を経て松本へ通じる旧街道の町並み。ここも壁から軒裏までを漆喰で塗り籠めた切妻平入り民家が軒を連ねて残っている。連続する町並みとしてはこの町一であろう。そして、本町と立町を結び、東端から上田を目指す小県道(松本街道)を分岐させている中町は会田の中心地。特に雁木状になった広い軒を、腰に海鼠壁を巻いた列柱で支えた町並みもまた美しい。街の周囲は広々とした田園。会田宿は、北国西街道で一番見ごたえのある宿場町といっても過言ではないだろう。
本町の町並み
盆地から立峠へ向かって斜面を駆け上がる町並みは信州らしい。
本町の町並み
雁木状に軒下空間が広いのは雪が多いからであろうか。
中町の町並み
軒を支える海鼠壁の列柱の何と美しいことか。
 
中町の町並み
中町と立町の交差点
右手が立町を経て松本へ向かう北国西街道、奥が上田へ通じる小県道。
立町の町並み
刈谷原宿・松本方面を見る(上)
立町の町並み
立町の町並み
連続する古い町並みとしては立町が一番であろう。
立町の町並み
立町の町並み
参考資料 リンク
松本市

参考文献