石塀小路 東山高台寺門前の石と木につつまれた遊郭

京都府
京都市
東山区
下川原町




交通

京阪四条駅下車徒歩
東山安井バス停下車





石塀小路



2004.11.25
 京都の遊郭といえば八坂神社門前の祇園が有名だが、八坂神社南門の参道であり高台寺門前にあたる下河原町通り界隈もかつては「祇園廻り」と呼ばれた遊興地として発展した地区である。明治に入って下河原町遊郭は廃止されたが、その後の町並みの中にも遊郭の名残が見受けられる。
 下河原町通りと高台寺の間に「石塀小路」と呼ばれ、最近観光スポットとして多くの人が訪れるようになった場所がある。明治末期から昭和初期にかけて創られた高級貸家街で、その名の通り「石」を主体に美しくランドスケープデザインされた小路である。各々の敷地は通りよりやや高くしてあるため、土台の石垣と石畳が連なって町全体に統一感をもたらしている。石垣の上は丸石あるいは煉瓦を積んだり板壁を連ねたりしている。京都の町のすばらしいところは土木と建築のデザインコードが一致して隅々まで気が配られているところだと思うが、石塀小路はその代表的な場所のひとつと言って良いだろう。長い伝統の歴史を持つ京都であるからこそ、近代の都市にも伝統に対する新しいデザインが見られて面白い。
下河原町通りから石塀小路へ入るゲート。車は入れない歩行者専用の路地である。
通りが低く切り下げられている(敷地が高い)のは武家屋敷町と似た手法で、門の前で階段を上がる。したがって、舗装の石畳と石垣で統一される。
石塀小路から下河原町通りへ向う路地。町家の下をくぐって通りに出る。(上)

石垣の上に丸石垣もめぐらす一角(左上、左)
石垣の上にレンガを積んだり板塀にしたり。(左)

門は対面しないように互い違いに配置されている。これも武家屋敷町の手法と同じ。(左下)

高台寺の方へ折れ曲がりながら向う。石と木のバランスが良い。(左上)

高台寺門前界隈の近代建築。(左)
参考資料 リンク
京都市

参考文献