安浦 花街 軍港横須賀の旧カフェー街

神奈川県
横須賀市
安浦町3
交通





京浜急行安浦駅下車徒歩


国道16号線安浦3交差点より入る



近代、軍港として栄えた横須賀。軍港の開設にともなって置かれた遊郭は、現在の上町にあたる柏木田にあった。安浦は横須賀の南にあった安浦港の一部を埋め立てて造られた新開地で、現在の国道16号線の東側の一角に、大正末期には80軒以上の店があったといわれている。柏木田が全焼した後は、安浦が横須賀を代表する女性街となった。
高架となっている京急安浦駅から東方向を見ると、中高層のマンション群が見えた。ちょうど安浦の場所である。「これは再開発されたか」と思いながら歩いていった。道幅の広い国道16号線を渡り、そのマンション群と国道の間の街を探すが、安浦神社はあれど何も無い。マンション群の縁の道を南下していくとやがて整然と区画された一戸建ての住宅街が現れた。マンション群と一戸建て街の間の通りはかつての海岸線で、マンション群は港を埋め立てて建設されたものであった。
整然と区画された街は、南北3本の通りが貫いており、東西は細い路地がそれら通りをつないでいる。この路地に足を踏み入れると、石畳のようなコンクリート舗装としゃれたデザインの街灯(東京新宿区の荒木町にも同様の街灯あり)が残っており、カフェー街の面影を感じることができる。
建物は建てかえられたものが多いが残っているものも結構ある。外装は塗りなおされているものの玄関や足元周りの装飾タイル貼りや大きい2階窓などに、カフェー街時代の名残を読み取ることができる。
安浦の新開地は整然と区画されている。今では住宅街なので花街だったかどうかはよく見ないと分からない。街灯のデザインが生き証人である。
一見変哲の無いアパートのようだが、1階の小屋根やモザイクタイルがカフェー街建築の名残り
2階の大きな窓もカフェー街建築の特徴
カフェー街建築は、
@バルコニーにあったり手すりデザインに特徴がある。
A2階の開口部が大きく、窓が多い。窓形状やガラス加工に特徴がある。
A玄関周りの形態やタイル貼りによる表現に特徴がある。
B屋根形状(軒や看板部分など)に人目を引く表現や伝統的な表現要素が見られる。
など
カフェー街は、
@街区形状(閉じた新地=整形街区)が多い。
A舗装や街灯デザインに特徴がある。
B質屋や銭湯がある。
など
参考資料 リンク
横須賀市



参考文献
『赤線跡を歩く』 木村聡 自由国民社