皆ヶ作 花街 長浦港に面した旧カフェー街

神奈川県
横須賀市
船越1
交通




交通

京浜急行京急田浦駅下車徒歩


国道16号線船越町交差点より入る



三浦半島の追浜と横須賀の間は平地が少なく入り江の地形のため、国道16号線と京浜急行が並走し、トンネルが連続する。そんな入り江地形の一つ、横須賀の北、長浦港に面する皆ヶ作という町がある。横須賀は近代、軍港として栄えた町であり、3つの遊郭があった。一つは軍港の開設にともなって置かれた「柏木田」、新開地として整備された「安浦」、そして規模は小さいが田浦と追浜の間の皆ヶ作である。
京急田浦駅を降り、国道16号線を100mほど横須賀方面へ歩くと、左手海側に「仲通り商店街」のアーケードが見える。アーケードは今や寂れた商店街だが、そこから左右の路地に入ると住宅街の中にかつて花街時代の建築が残っている。昭和30年では、40件ほどの店を数えたという。
銅板貼りやモルタル吹き付けの看板建築、伝統洋式の建築が細い路地に面してポツポツと建っている。比較的大きい割烹料亭もあった(現在営業しているかは不明)。建物のデザインは、玄関周りや窓周りに人目を引くための独特な意匠が施されているので、注意して見れば単なる住宅建築ではないことは分かる。かつては港に近接し、港近くの飲食店がひしめいていたような場所があったが、港が埋め立てられたため今や必然性のない不思議な場所になっている。
仲通りアーケードを入ってすぐ左手の路地に建つ、銅板壁の看板建築。
長浦港に面した飲食店街。何件かの飲食店が入っている長屋看板建築。
上の建物にはライオンの装飾が入り口やコーナーに施されていた。
割烹料亭があった(「飯田屋」)。一際、大きな建物。
参考資料 リンク


参考文献
『赤線跡を歩く』 木村聡 自由国民社