男木島 石垣と本瓦と板壁が美しい高松沖の密集系漁村

香川県
高松市
男木町




交通

高松港よりフェリー






男木島




2012.05.03
高松市の北7.5kmに浮かぶ島。女木島とともにもとは香川郡雌雄島(しおじま)村で、昭和31年に高松市に編入された。花崗岩の岩盤に讃岐岩がのる地質で、平地が少なく南西部の斜面に階段状に集落がつくられている。源平合戦で那須与一が射った扇が流れ着いたことから「おぎ」という島の名がつけられたとも言われている。
集落形態は隣の女木島とは対照的である。女木島東浦が平坦な土地に放射状の地割をし、オーテと呼ばれる防風機能をもつ石垣で敷地を取り囲んでいるのに対し、男木は斜面上に石垣で宅地を築き、迷路のような道が複雑にめぐっている。いわゆる密集系漁村の典型ではあるが、もともと岩盤の上に立地しているほど石材に恵まれ石垣が見事であること、香川県らしい本瓦屋根を基本とし統一感があることなど、集落としての質はかなり高い。
港から見上げた男木の家並み(上)

宅地は地産の石でしっかりと築き上げられている(左)
廃屋になっていたが大きな建物があった
舟板を利用した板壁の建物
集落北端から眺めた集落の側面

やはり男木でも女木と同様に海を抜ける風が強いうのであろう、庭を囲むように建物と塀がめぐらされた家(左上)

細い道が集落内に張り巡らされている(上)

集落上段から瀬戸内海を臨む(左)
防風を考慮し建物は宅地外周に配置され庭を囲むように建てられている。したがって敷地下段側から見ると石垣の上に建物が建っているが、中庭に向けて上る階段の開口が石垣と建物を切りかくように開けられている形態が多い。
参考資料 リンク
高松市

参考文献
「図説 日本の町並み10 四国編」第一法規