夕張 かつての栄華を偲ばせてくれる巨大炭鉱の中心街

北海道
夕張市
本町2,3,4




交通






夕張




2009.04.25
夕張山地は北海道中部を南北に連なる褶曲山地で、最高峰の芦別岳(1727m)をはじめ1000m以上の山々がそびえる。夕張山地の北西麓は石狩炭田として数々の炭鉱がある。夕張川上流の夕張炭鉱は、1888年(明治21年)坂市太郎技師いよって発見され、1890年志幌加別川沿いで採炭されたのが起源である。夕張炭鉱は夕張、新夕張、大夕張、真谷地、登川の炭鉱区があり、志幌加別川の谷底に商店街、山麓斜面に炭鉱集落が形成されている。
1960年(昭和35年)には北炭(夕張鉱業所・平和鉱業所)・三菱(大夕張鉱業所)の三大鉱業所を中心に北炭機械工業(鉱山・産業機械製造)、北炭化成工業所(コークス・化成品製造)などの関連産業も発達し、116,908人の人口を抱える都市となった。しかし、昭和30年代後半のエネルギー革命以後は徐々に衰え、1990年最後まで残っていた三菱石炭鉱業大夕張炭鉱が閉山した。現在では歌志内市、三笠市(いずれも石狩炭田の炭鉱町)について全国3番目に人口の少ない市となり、観光化を推し進めた挙句に財政難に陥ってしまった。
中心市街地は、志幌加別川の斜面にあり、「梅ヶ枝横丁」という歓楽街は今でこそ寂れ切っているがかつての栄華を感じることはできる。町じゅうに映画のポスターが掲げられているのは、かつて映画祭を開催しシネマで町おこしをしようとした名残で、今では街全体が廃墟のように静まり返っている。
夕張石炭の歴史村(開園当時)
斜面には炭住が建っている。(上)

三菱石炭鉱業大夕張線清水沢駅。今では廃線になっているが、営業していたころの写真。
梅ヶ枝横丁の歓楽街。右手の建物は映画館か?
梅ヶ枝横丁の町並み
梅ヶ枝横丁の町並み
玄関の意匠が遊里であったことを偲ばせてくれる。
梅ヶ枝横丁の町並み
どの店も廃墟のようでほとんど営業していない。
梅ヶ枝横丁の町並み
建物を貫通して坂の上下の通りを結んでいる階段(上)
梅ヶ枝横丁の町並み
比較的大きな建物なので旅館だったのだろうか。(左)

梅ヶ枝横丁の建物のディテール(左下、下)
梅ヶ枝横丁の町並み
坂下の通りから見上げる。(上)

梅ヶ枝横丁の案内看板。(左)
参考資料 リンク
夕張市

参考文献