米とワインの産地 石造と下見板張りの町並み

北海道
岩内町
泊村
神恵内村





交通












1995



泊は積丹半島の西岸にある漁村集落で、かつてはニシンの千石場所であった。泊でニシン漁が始められたのは今から約300年前といわれている。明治期になると、ニシン漁は全盛期を迎え、泊には50を越える鰊番屋が建ち並んでいたという。大正初期よりニシンが減少し、町は次第に衰退していった。
国道は山側を迂回したため、旧道沿いの町並みが残った。大漁家建築のうち、旧川村家番屋(明治27年)と旧武井邸客殿(大正5年頃)が残されており、移築・復元保存されている。漁家建築は母屋と番屋、蔵で構成されており、2棟は互いに別の家ではあるが漁家の遺構として接続されて残された。
町並みには番屋は残っていないものの石蔵が残っていた。また、ディテールに洋風の意匠が施されている下見板張りの住宅も見られ、北海道日本海岸の漁村の佇まいを感じることができる。

岩内から海泊村、神恵内村に向かった国道229号線沿いにも煉瓦蔵が見られた。神恵内村までくると、積丹半島の山と海の間の平地は狭まり、1列の集落が目立つ。その中、赤石集落にも煉瓦蔵が見られた。
旧道沿いの町並み
石蔵が残っていた。妻面に屋号が記されている
下見板張り住宅
泊の町並み
右手が旧川村家番屋で、しばらく公民館として使われていたようであるが、この場所に移築復元された。正面は旧武井邸の客殿で、やはり番屋に接続して建っていた。
岩内付近の国道229号沿いの民家。海側には冬の風雪をしのぐ木柵に囲まれる。(上:1995年撮影)

主屋や屋根は残らずとも煉瓦壁だけは朽ちない(左:1995年撮影)
神恵内村赤石の民家
積丹半島の先端方向に進むと背後の山と海岸の間に一列の集落となる。(1995年撮影)
主屋は煉瓦蔵でも木柵で防風対策を図っている。(1995年撮影)
参考資料 リンク
泊村


参考文献
『図説 日本の町並み1 北海道・北東北編』 太田博太郎他 第一法規