江別 明治後期に開かれた王子製紙の企業城下町

北海道
苫小牧市
王子町
錦町
浜町




交通
室蘭本線
苫小牧駅下車徒歩





王子町


錦町


浜町




2009.04.25
地名はアイヌ語「トーマコマナイ」(沼の後ろにある川)に由来する。苫小牧は、北海道南岸、勇払平野上の都市で、1910年(明治44年)王子製紙苫小牧工場開設以来、製紙・パルプ工業都市として発展した。1951年以降に掘り込み式の人工港を建設、石油関係産業を中心とする工業都市となる。
JR室蘭本線苫小牧駅前を出て右手(西側)すぐに王子製紙苫小牧工場がある。工場敷地内には創建当初の赤レンガ建物が建っており、そこから正門までの間には王子神社、正門近くには王子倶楽部、幹部社宅がある。正門から東へ一直線に延びる王子通りに沿っては、約1kmにわたって王子製紙関係の施設が並ぶ。まずは正門前に広がる社宅(王子町)。駅前本通りを横切って、王子不動産ビル、グランドホテルニュー王子、王子製紙スケートセンター、王子総合病院、ケアライフ王子などと続き、「苫小牧市」ではなく「王子市」と見間違うようだ。また、工場の南側には、商店街と歓楽街が東西二本の通りに並行して展開している。
一方、さらに海に近い浜町には、かつて遊郭があった。大正期に開かれ7件の妓楼があったが、戦時中に閉鎖された。現在は広い通り幅以外に面影は全くない。
王子製紙苫小牧工場正門
この通りが画面手前方向に一直線に延びた「王子通り」となっている。
正門を入り王子通りを進むともうひとつ門がある。創建当初(明治44年)の建物と思われる赤レンガ建築
正門を入って右手にある王子神社(左)

正門の近くにある迎賓施設「王子倶楽部」(上)
王子倶楽部の隣にある住宅。おそらく幹部社宅であろう(左下)

正門前の社宅群(左上)

「王子町」「王子通」など企業名が地名になっているのが企業城下町の証(上)

王子通りはそのまま町のメインストリートとなっている(左)

王子通りに沿って王子製紙関連施設が立ち並ぶ
王子総合病院(左) 王子製紙スケートセンター(上)
工場の南側に展開する歓楽街「錦町」。この通りのさらに一本南側がショッピングモール。
街はずれ、海岸に近い浜町にはかつて遊郭があった。大正期に開かれ7件の妓楼が建っていたというが、戦時中に閉鎖された。現在は幅の広い通り以外にかつての記憶を伝えるものは残っていない。
参考資料 リンク
苫小牧市

参考文献
「消えた赤線放浪記」木村聡