北牧 吾妻川を挟んで関所とともに整備された宿場町

群馬県
渋川市
(旧子持村)
北牧
横堀




交通






北牧



横堀




2007.05.04
三国街道は高崎で中山道から分岐し、三国峠を越えて越後に至る脇往還である。古代からの利用があったが、江戸時代に入って佐渡金山開発の本格化に伴って官道として整備された。寛永20年(1643年)に吾妻川の右岸の南牧に杢ヶ橋関所が開設され、左岸の北牧に北牧宿が整えられたという。三国街道は高崎から越後国寺泊まで30宿、北牧宿は高崎から4番目で、金井宿と横掘宿の間にある。吾妻川の川止めなどで客の多いときには横堀宿との合宿もあり、宿場はには8軒の旅籠があって他に比較して多かったという。
現在の旧北牧宿は僅かな面影を残しているに過ぎないが、国道353号線にかさなった中宿と直交する何本もの通りに町が形成されていた。本陣跡に残る建物、点在する土蔵、出梁造りの民家、旧街道の中央に整備された水路などに徒歩時代の宿場を偲ぶことが出来る。
北牧宿はその存在を知っていなければ簡単に通り過ぎてしまう。国道353号線に「三国街道北牧宿」の表示がある。
水路の整備された一角。「北牧宿」の表示のある交差点を曲がると古い建物が並び中央に水路が整備された通りがある。
国道353号線に面する住宅。上州名物の出梁造り(あるいは出桁造り)の2階建民家。養蚕の影響で生まれた形態である。
旧家の大きな屋敷。洋館の別棟が建っていた。
町の中には蔵が点在する。
国道353号線を高崎方面からやってきて右手に見える大きな屋敷の角を曲がる。(上)


この通りを進むと旧三国街道は横堀宿方面へ。(左)
郵便局の裏にある民家。
多客時には北牧宿と合宿となった横堀宿。北牧宿から越後へ向かって3キロの位置にある。残念ながら宿場町の面影はない。遠くに見えるは榛名山。(上、左)
参考資料 リンク
渋川市

参考文献
『日本の町並みV 関東・甲信越・東北・北海道』 西村幸夫監修 平凡社