本宿 姫街道とかぶら川 2つの顔をもつ町並み

群馬県
下仁田町
本宿

下仁田方向からみる。比較的直線の町並みは、姫街道の分岐点近くで曲がる。

平入で格子のある商家、土蔵造り、塗屋造りの商家、小さな看板建築も見られる。

下仁田方向を見る。

木造3階建て。かつての遊郭建築か?

かぶら川に面しては3・4階建ての町並みになる。川に向かって張り出すように拡大した。
信州姫街道は藤岡から信州に抜ける脇街道である。有名な中山道は、横川の関で女人の取締りが厳しかったため、女性はこの街道を行き来した。信州姫街道と呼ばれる所以である。
信州姫街道は下仁田で西牧の関所を通るルートと南牧の関所を通るルートに分かれる。

西牧の関所は下仁田から約9km西にあったが、その関所に付随していたのが本宿である。

下仁田方向から街道を歩くとまず比較的まっすぐの町並みが迎えてくれる。高さのある2階建て平入り町家が歯抜けではあるが連なる。

やがて道は緩やかに右にカーブする。このあたりが町並みとしての見所で、土蔵造りや塗屋造り、小さな看板建築が現れ、かつての中心部の様相を呈する。

その中心部で街道は初鳥屋宿・和実峠を越えるルートと内山峠を越えるルートに分かれる。初鳥屋への通りに木造3階建ての遊郭建築っぽい民家があった。欄干がある木造3階建ては遊郭建築の可能性が高いが、この地はバルコニー付養蚕民家の分布地域でもある。

内山峠へは分岐点から川を渡る。かぶら川からは姫街道沿いの町並みの裏側が見られる。もともと街道は川縁を通っていたのであろう、家々は街道と川の間の狭い土地に建っているため、半分川にはみ出した形で建っている。したがって、街道側は2階建てでも川側は3階・4階建てになっている。同様の町並みは愛知県の足助などにも見られる。

街道と川、2つの顔をもつ町並みである。

交通


上信電鉄下仁田駅下車9km


国道254号線
本宿
県道43号線沿い



参考資料 リンク
下仁田町のホームページ
上州姫街道

参考文献
『日本の集落 第1巻』 高須賀晋・畑亮夫 建築資料研究社
『歴史遺産 日本の町並み108選を歩く』 吉田桂二 講談社