赤岩 旧草津街道に3階建て養蚕民家が並ぶ山村集落

群馬県
六合村
赤岩




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赤岩





2007.05.04
六合村は群馬県の西北部、越後山脈南麓の山村である。村名は、入山、小雨、太子、日影、赤岩、生須の6大字を合わせた意による。上州、越後、信州の三国国境にあたる白砂山の南を源流とする須川沿いに集落が散在しているが、赤岩地区は村南部の須川東側の緩斜面上にある。長野原から小雨を経て草津温泉に通じる草津街道が集落内を通っており、旧街道に沿って家々が並ぶ。集落形態の特徴は建物にある。群馬県は全国でも有数の養蚕地帯であり、蚕室を多く設けようと家屋を2階3階にした民家が多く見られる。しかし、県内の養蚕民家は年々姿を消している。赤岩集落は3階建ての養蚕民家がまとまって多く残っている点で貴重である(国重伝建)。
集落の中ほどにある湯本家は、享和3年(1803年)建築の木造3階建ての塗屋造りで、幕末の蘭学者高野長英が開国論を唱えて幕府に追われ、この家にかくまわれていたという。その歴史もさることながら、その姿は同じ養蚕地域である兵庫県但馬地方に見られる養蚕民家と大変似ている。また、集落内には迫力ある切妻出梁せがい造りの3階建て養蚕民家も見られる。聞くところによると六合村の3階縦民家の多くは2階建てを改造して3階にしたものが多く、この家もその一つだという。
旧草津街道の町並み。
貫と白壁が美しい民家の妻面。家々はみんな妻入りで並ぶ。
幕末、高野長英が隠れ住んだという湯本家住宅。関西の養蚕が盛んだった但馬地方に見られる3階建て養産民家に似ている。
集落内の景観

出梁せがい造りの民家が多い。

2階建を3階建てに改造したといわれる養蚕民家。より広い蚕室を確保しようと、2階、3階が出っ張っているので迫力がある。
参考資料 リンク
六合村

参考文献
『日本の町並みV 関東・甲信越・東北・北海道』 西村幸夫監修 平凡社