元怒和 密集集落の路地に面して長屋門を構える町並み

愛媛県
松山市
(旧中島町)
元怒和




交通
高浜港よりフェリーまたは高速艇






元怒和





2013.06.10



怒和島は、愛媛県松山市沖の忽那諸島西部にある。北岸の平地に畑が広がっているほか、急傾斜地を除く島全体に柑橘が植えられている伊予柑栽培の島。島には2つの集落があるが、もともとの集落は島の北岸・宮之浦にあったが、いつの頃からか現在の上怒和、元怒和の二集落に分かれたという。産業の中心は柑橘栽培であるが、わずかにタマネギやスイカも作られている。近年ミカン価格の低迷により、ヒラメ養殖が始まり、島の経済の新しい柱として期待されている。日本の小さな離島には、二つの集落があるというパターンが多く、その場合二つはライバルのような関係になっていることが多い。この怒和島の二集落もだいたい同じような規模であるが、元怒和の方に郵便局や小中学校があるから、中心的な役割をもっている。
元怒和の集落空間は非常に興味深いものである。まず、家々が密集しているのにかかわらず長屋門と庭を持って屋敷地を囲むように設えている点である。この長屋門をもつ形態は、松山市郊外の農村地域でも見られるので経済的に富を得た農家の共通のスタイルなのであろう。それを、半ば無理やり密集した島の集落の中で創りあげている点が元怒和の特徴となっている。海岸線に平行に道があり、それと直交するかたちで細い通りが延びている。その通りは狭く、広いものでも単車が通れるのがやっとである。
怒和島元怒和の町並み
港に面して長屋門を連ねる町並み
港に面して長屋門を連ねる町並み
手前左右が海岸線の通りで、直交する通りが集落の内部へ向かって伸びている。


路地に面した洋服屋さん(上)
舟板を使った外装(左上)
怒和島元怒和の町並み
怒和島元怒和の町並み
怒和島元怒和の町並み
怒和島元怒和の町並み
怒和島元怒和の町並み
怒和島元怒和の町並み
怒和島元怒和港
参考資料 リンク
松山市

参考文献