佐倉 房総の舌状台地の上につくられた城下町

千葉県
佐倉市
宮小路町、新町、弥勒町



交通

JR総武本線
佐倉駅下車
京成本線
京成佐倉駅下車

国道296号線




弥勒町新町



宮小路町





2003.12.07

佐倉の武家屋敷。通りを一段低くして敷地周りを土塁とし、背後の崖線は竹林となっている。
 
 佐倉は、1590年(天正18)久能宗能が入封し、後に土井利勝が改・築城した城下町である。まちは舌状の台地の上に形成されており、西の台地突端に本丸、そのすぐ東側に武家屋敷が配置された。町人町は成田街道沿いに形成されており、台地の上下に2箇所ある。江戸よりの田町は城近くの台地下。台地の上には麻賀多神社前からまっすぐ東(成田方向)へ伸びる尾根筋に形成されており、横町・上町・二番町・仲町、肴町で鍵形に折れたのち間ノ町まで町並みは続いていた。
 鉄道はJRと京成電鉄があるが、JRは南の台地下、京成は北の台地下に駅をつくったため町をはさんで両側に駅前があるという独特の都市形態をとなっている。
 歴史的な町並みとしては、武家屋敷が城の南東(旧外堀の外)に位置する宮小路町、町人町は台地上の横町から間ノ町にかけて見られる。
 佐倉は十年ほど前に行ったことがあるので、ろくすっぽ前調べをしないままに「どうせ城下町なら町並みはすぐ見つかるだろう」と高を括って訪れた。まずは城址にある歴史民俗学博物館に上ったが町の案内地図が無く(館内には入っていない)、しょうがないので坂を下りる。城の周りは公園となっていて町並みは無い。京成佐倉駅やJR佐倉駅のあたりを走っても無い。もしやと再度台地に上がり、ちょっと広い範囲を走り回ったらやっと武家屋敷と町人町が見つかった。佐倉のまちの面白さは、歴史的な町並みが見られることに加えて、この東西に長い「台地上の都市」という地形の明快さにある。
 
宮小路町の武家屋敷。右の画像で台地の形状とその上に城下町が形成され、成田街道が抜けていく様子がわかると思う。
江戸時代中期から後期にかけての武家屋敷が残っている。
画像は、旧但馬家住宅。
旧成田街道、横町の町並み。
崖を上った街道は、この横町で直角に東へ折れ、台地の背骨に沿って成田へ向かう。
横町の町家。
この蔵の脇を入っていくと宮小路の武家屋敷まちとなる。
旧二番町にある佐倉市立美術館。
大正7年に建てられた旧川崎銀行佐倉支店 (千葉県指定有形文化財) を保存活用し、エントランスホールとして使用している。
この建物正面に伸びる通りは坂道を下って京成佐倉駅前の今の商業地とつながる。
間ノ町、現「蘭学通り商店街」の町並み。
途切れてはいるが関東風の出桁町家が並ぶ。
肴町から間ノ町へ曲がる。
角の町家はもともと角切られていたものかどうか?
蘭学通りの東端に残る古民家。
切妻平入の出桁造りの主屋と妻面を通りに向けた蔵を並べる形態は関東風。
参考資料 リンク
佐倉市


参考文献
『図説 日本の町並み3 関東編』 太田博太郎他 第一法規