弘前 城下町の遺構が残るハイカラな町並み

青森県
弘前市
親方町、下白銀町、稔町、御幸町、元寺町、百石町
亀甲町、和徳町
仲町



交通

JR奥羽本線弘前駅下車


国道7号線弘前市街







弘前




2003.08.02
津軽平野南部を占める津軽地方の中心都市。津軽藩10万石の城下町としての歴史を持ち、弘前城をはじめ、城下町の構造や町並みを今に色濃く残している。早くから西欧文化が入り、明治時代の洋風建築が多く残っているハイカラな近代都市でもある。平らな町は、常に美しい岩木山を背景にしている。
弘前は明治初期にキリスト教が布教され、今も明治時代に建てられた教会などの洋風建築が散在する。
青森銀行記念館(親方町)、弘前学院外人宣教師館(稔町)、日本キリスト教団弘前教会(元寺町)、旧東奥義塾外人教師館(下白銀町)、旧弘前市立図書館(下白銀町)、弘前厚生学院(御幸町)、弘前カトリック教会(百石町)など。これらの多くは、弘前の棟梁堀江佐吉によるものだが、彼は東京や京都の近代洋風建築をモデルに独創的に洋風建築を手がけたとされる。他にライト風住宅建築など、弘前の町並みには、様々な近代洋風建築を見出すことができる。
弘前城の北側は、しっとりとした城下町の雰囲気が残っている。亀甲門の向かい側には重要文化財の石場家住宅ある。ゆるい勾配の屋根はもともと柾葺きで、前面にコミセを設け、積雪時の通路(アーケード)として使われる。弘前では、他に和徳町、上土手町にもコミセが見られる。
亀甲町の裏の仲町地区(若党町、小人町、春日町)には武家屋敷のたたずまいが残る。薬医門とサワラ垣や板塀、平屋の武家住居遺構の景観は、一見ごく普通の閑静な住宅街に見える。それは、近代のサラリーマン住宅の原型が武家屋敷にあるためだ。
仲町の旧武家屋敷町(1985年頃)(上)

仲町の旧武家屋敷町(2003)(左)

仲町の旧武家屋敷町(2003)
仲町の旧武家屋敷町(2003)

亀甲町の石場家住宅(2003.8)
旧弘前市立図書館(1985年頃)
元寺町の翠明荘旅館 旧帝国ホテルの設計をしたFライトに影響を受けたライト風の建築の一つ
教会
土手町の商店街(旧羽州街道)
土手町を弘前城の方から行進する弘前ねぷた祭。(青森は「ねぶた」)
参考資料 リンク
弘前観光協会

参考文献
『図説 日本の町並み1 北海道・北東北編』 太田博太郎他 第一法規
『歴史の町並み 北海道・東北編』 保存修景計画研究会 NHKブックス
『日本の美術286 民家と町並 東北・北海道』 宮澤智士 至文堂
『民家巡礼 東日本編』 溝口歌子・小林昌人 相模書房