宝塚〜飛田新地 小浜・生瀬・飛田新地 (2004.10.01-02)
 

宝塚といえば歌劇団。その町の近傍で街道町として栄えた2つの町並みを訪れることとした。
もうひとつは、大阪ミナミの飛田新地。現役の風系遊郭としては日本一の歴史的町並みを有する。しかし、なんせ現役である。この間の川崎南町では不用意な時刻に訪れたためちょっと怖い思いをした。今回は用意周到に気を使いながら歩くことにした。

 
生瀬(兵庫県西宮市)
伊丹空港に早朝7時半に到着した。JR伊丹駅へは空港滑走路の下のトンネルをくぐればすぐだろうと高をくくっていたが、通勤ラッシュの渋滞もあって結構時間を要してしまった。モノレールで蛍池駅に出たほうが賢明だ。
JR福知山線で宝塚のひとつ三田寄りの生瀬で下りる。さびしい駅前を東に進むと旧宿場町の町並みが姿をあらわした。しかし、10年の阪神淡路大震災の傷跡は明確で、空き地や改築・改修された町家が多く見られた。それでも妻入の町家が数棟残っており、ここから摂津・丹波地方に向けて妻入の町並みが見られることを暗示する。
小浜(兵庫県宝塚市)
宝塚駅から阪神バスに乗り、中国道宝塚インター入口の緑看板に近い小浜バス停で下りる。近くに崖線の緑が見えるが、その丘の上が小浜の町だ。小浜はかつての交通の要衝らしく、町内を抜け道として通り抜ける車が多く、ちょっと落ち着いて歩いていられない。町の北端は大堀川の谷になっており、丘の上の町はまさに自然の城塞。寺内町として選ばれた理由がわかる気がする。
この町も阪神淡路大震災の被害があったところで、古い民家はあまり残っていない。地形や町割りが楽しめるだけに、古い建物が少ないことが残念である。
飛田新地(大阪府大阪市)
現役の遊郭を歩くのは結構気を使う。別のサイトで「堂々と撮影するのは危険」との注記があった。こういう町の探索は早朝が定石であるが、念のため前夜に下見に出かけた。あくまでも町並みの下見なので誤解なされるな。
一軒一軒のの玄関には女の子が座っており、明るい光を浴びてニッコリ。傍らでヤリ手ババアが「ちょいとお兄さん」と声をかけてくる。それを交わしながら、目ぼしい町並みポイントとヤバイ事務所の場所をチェックしておいた。それにしても綺麗な世界である。しかし、飛田新地の郭内の綺麗さに比較して周辺のギャップはすさまじい。実際の住人より路上居住者の方が多いのではないだろうか。大通りに駐車されている車の半数はタイヤが盗まれ窓ガラスが割れて放置されている。
そして翌朝、6時に起床し地下鉄で動物園前駅に向った。昨日歩いた飛田新地へ通じる商店街を歩く。途中のこわい事務所もシャッターが閉まっていた。安心安心。
まずは、西の大門から。天気が悪いので外灯がついている。この辺りは戦災から免れた大阪でもある。大門前に戦前のスクラッチタイル貼り長屋が残っていた。大門を入ると整然とした和風基調の町並み。百番に似た角の店が目を引く。周りを気にしながらシャッターを押す。最奥の百番あたりは店も少ないし百番自身が登録文化財なので堂々と撮影。また中心エリアに戻ってこそこそ撮影。昨晩の下見が有効で短時間ながら要所を押さえることができた。

さて、これから「いらかぐみ」の関西メンバーと合流し紀ノ川周辺の町並み探訪である。