北九州 肥前T (2003.12.28)
 

東唐津のホテルからは虹ノ松原と唐津湾が一望である。その風景のなんと美しいことか。ゆっくりすればいいのに、朝食を食べるやいなやまだ食事をしている家族を残して、一人唐津の大石町を歩きに出かけた。
まぶしい冬の朝日を浴びて松浦川を渡り旧市街へ。唐津という町は本当に美しい。川を挟んだ城下町を計画した寺沢広高はすごいと思う。
大石町を歩いていったん家族を迎えにホテルへ戻り、今度は東唐津、本町、武家屋敷町を歩く。唐津は、見所が多く思ったより時間を費やしてしまった。
松浦半島を北へ、呼子をめざす。「唐津」とか「呼子」という地名は、どことなく日本離れした大陸的な響きに聞こえないか。
呼子は朝市で有名。朝市通りは午前中、近在の人や観光客で大いに賑わう。朝市より建物を眺めながら朝市通りを抜けるとうってかわって人っ気が無くなり、静かな町となる。崖と海との間の狭い土地に延々と町並みが続いている。崖の上には遊郭らしき建物が落っこちそうに建っていた。この地形どっかで見たことがある。そう、三浦半島の浦賀(神奈川県)に似ている。あっちはペリーだがこっちは倭寇だ。
松浦半島の西側は棚田の風景が美しい。その中を走って南下する。伊万里の町は深い伊万里湾の先端にあって、肥前焼など積出港として栄えた町。しかし、大川内山を目指していたため、伊万里の町並みを通り過ぎてしまった。棚田とあわせてまたくりゃいい。大川内山は鍋島藩がその技術が外に流れ出ないように閉じ込めた窯元集落。すっぽりと山の中にたたずむ焼き物の里は、なんとも居心地の良い集落空間である。大川内山には以前仕事で来たことがあったが、そのとき鍋島青磁の透明感と色合いに魅せられ湯飲茶碗を買ってしまった。今でも毎朝愛用している。
山の反対側は有田である。山を迂回するように有田の内山へ向かう。ここは重伝建の町並み。前回は仕事だったので町を歩くことができなかった。今回は十分時間を有田のために用意してきた。さすが、世界に名をとどろかせた有田焼で栄えた町。すごいグレードの建物がザーッと並ぶ。「お見事!」という感じである。
冬の日は短い。日が暮れてきた。今日はハウステンボスに宿泊予定である。でも、私がハウステンボスを見る分けは無く、家族の希望でそうなっている。したがって、ハウステンボスの中のホテルではなく駅前の安ホテルを予約している。着いてみるとその名も「ホテルローレライ」でオランダの隣のドイツ風?。明日は家族をハウステンボスで遊ばせておいて、有明平野を駆け巡らなければならない。
 
唐津
呼子
大川内山
(伊万里)
有田